医師が仕事を辞めたくなる理由は?|辞めても大丈夫?

仕事で心が追い詰められて、辞めたいと思う医師は多いです。実際、医師の約40%は仕事を辞めたいと思ったことがあります。しかし、辞めても働く場所に困ると思って、中々決心がつきませんよね。では、私たち医師は仕事を辞めたいと思っても、踏みとどまって仕事を続けるべきなのでしょうか?

  • 仕事の責任が多くて辛い、もっと楽な科を選べばよかった
  • 患者の理不尽な暴言耐えきれない、もう辞めたい
  • 医師を辞めたら働く場所がないと思い、辞める決心がつかない

本気で辞めたいのなら、医師を続ける必要はありません。ただ、辞める理由を明確にして辞めるべきです。なぜなら、辞めたいと口では言っても、本心は医師という仕事に未練があるかもしれないからです。

辞める理由で最も多いのは、身体的、精神的不調です。しかし、この場合医師を完全に辞める必要はありません。なぜなら、個人病院やクリニックに転職すれば、不調をきたす原因である労働環境を変えられますよね。

辞める理由で2番目に多いのは、患者さんとの関係悪化です。患者さんに暴言を吐かれて、医師としての自信を完全になくしてしまう方は多いです。こうなったら、辞めて違う業種で働くのも仕方ないです。ただ、30代以上で異業種に転職するのは難易度が高いです。

難易度の高い転職をするんだったら、医師免許を生かせる仕事に就く方がいいです。なぜなら、製薬会社や保険会社であれば、年収1,000万円をこえることも可能なので、生活に困ることはないですよね。年収は下がりますが、医療系のIT企業など、医師の経験を生かせる仕事は多いです。

自暴自棄になって辞めても、その先の生活で苦労するだけです。医師を続けるにしろ辞めるにしろ、まずは落ち着いて「なぜ自分は医師を辞めたいのか」明確にしましょう。

ここでは、医師が仕事を辞めたいと思う理由について紹介します。また、仕事を辞めたいと思った医師向けに、3つの働き方を紹介します。辞める理由をはっきりさせてから辞めた方が、その後の生活で苦労せずに済みますよ。

  1. 仕事が辛くて辞めたいと思っている、医師の声は…
  2. 医師が仕事を辞めたいと思う理由は?仕事を辞めてもいい
  3. 仕事を辞めたいと思った医師が進むべき、3つの道は?

見出し1:もう医師を辞めたい…

 

Aさん)仕事の精神的な負担が大きい…

研修医1年目です。医師を辞めたいです。
奨学金を借りていて返す代わりに働かないといけないため、現実的に辞めることはできないのですが、辞めたいです。

ものすごくきつい病院ではありませんが、救急での判断など任されており、それ以外の科の仕事も精神的な負担が自分にとっては大きいです。
もっと精神的な負担が少ない仕事を選べばよかったと思っています。
将来興味がある科もありますが、精神的な負担が少ない科でないとやっていけないと思うようになりました。
また結婚しており、仕事以外はとても充実しています。十分幸せなのに、なぜこんな精神的につらい仕事をしなければいけないんだろうと思います。
1年目だからでしょうか。もともと精神的に強い方ではないですが、もっと勉強をすれば精神的な負担は減るかもしれないとも思います。

誰にもここまで正直には相談できず、相談というか打ち明けさせていただきました。
相談の目的は曖昧ですが、アドバイスなどありましたら、よろしくお願いします。

参考:Yahoo知恵袋

救急科や産婦人科など、特に人命にかかわる科は精神的な負担が大きいです。

精神的につらいのだったら辞める前に、転科や転職などいろいろと選択肢があります。せっかく医師免許を取ったのに、完全に辞めてしまうのはもったいないですよね。

Bさん)患者ともめて、仕事を辞めたくなった…

医師を辞めたい。 初めての利用です。

卒後10年~15年目の外科系医師です。 個人情報の為、詳細は控えますが緊急搬送されてきた患者が亡くなりました。
その時の対応、結果として患者が亡くなった事についてご遺族と揉めています。
論点は3つ
①ご家族、本人の同意を取らずに処置をした事。
②患者が死亡した責任の所在
③医療ミスではないのか

再三、ご説明をしても理解を得られません。
①身分証携帯電話を所持されていなかった事、ご家族の同意をいただく時間はないとの私の裁量権の範疇での判断
②、③ミスはなく適切な処置を行った
そのようにご説明しておりますが、お怒りが収まらず精神的に堪えております。
極め付けはご遺族から掴みかかられ「人殺し」「土下座しろ」と罵倒された事です。
休日も数える程度しかなく妻子との時間を犠牲にしてやっていてもこのような事を言われ張りつめていた気持ちが切れました。
以後、院長のご配慮で、休養中ですが、今後の生活に悩んでおります。
妻はゆっくり休んで考えればいいと言ってくれておりますが、世間体や医療者からの目が気になります。

両親や妻子には情けないのですが、医療とは関係のない仕事に就きたいと考えております。30代後半で民間の職歴なし資格が普通免許日商簿記2級 語学で就ける仕事はありませんか?
医療者がご覧なのであれば私の決断をどのように感じられるかご回答を頂きたく存じます。
このような事も最近はあると聞いておりましたが、自身がその立場になり気持ちが折れた次第です。

参考:Yahoo知恵袋

患者さんやその家族から理不尽なことを言われて、仕事を辞めたくなる医師は多いですよね。

医療事故を起こしたわけではないのに、元々怪我や病状が患者さんがなくなってしまうことはあります。こういった場合、特に患者さんの家族から責め立てられることが多いですよね。私たち医師は全力を尽くしたわけですが、それをご家族に伝えても中々受け入れてもらえません。

あまりにも罵倒されると、医師としての自信を失いますよね。医師を辞めたいと思うのも仕方がありません。

Cさん)次の勤務先を見つけられるの…

医師免許を持っていれば、働く場所に困ることはないのでしょうか?
例えば、現在の病院の労働環境が過酷で辞めたいと思ったら簡単に次の勤務先をみつけることができるのでしょうか?

また、体を崩してしまう、親の介護などの理由で週に一日アルバイトのみで働くといった働き方もできるのでしょうか?
よろしくお願いします。

参考:Yahoo知恵袋

医師を辞めても、医療関係の仕事に再就職することが可能です。保険会社の社医や製薬会社、医療系IT企業など、医師免許や経験を生かせる仕事は多いです。

ただ、異業種への転職をするのは難易度が高いです。なぜなら、基本会社は転職者を「即戦力」として扱いたいと思っています。医療系のスキルは、一般の会社では無力です。また、若い年齢の人の方が採用されやすいため、30代以上だとなお厳しいです。

また、医師を続けるにしろ辞めるにしろ、まずは辞めたい理由をはっきりさせた方がいいです。医療業界に未練があるのに、見切り発車で異業種に転職しても、いいことはありません。

では、私たち医師は、どういった理由で仕事を辞めたいと思うのか見ていきましょう。

見出し2:医師が仕事を辞めたいと思う理由は?仕事を辞めてもいい?

 

その1 :辞めたい理由No.1は、「身体的、精神的に不調」になったから

Q2.「辞めたいと思ったことがある」先生にお伺いします。その理由、きっかけは何ですか?

第1位:身体的あるいは精神的に不調になった(442票)
第2位:オンコールの対応や当直が続き、激務と不規則な生活がつらくなった(438票)
第3位:休みが少ない(370票)

参考:マイナビDOCTOR

医師を辞めたいと思う一番の理由は、心と体が不調になったからです。また、オンコールや当直が続いたこと、休日が少ないのも辞めたい理由の上位にランクインしています。

医師の仕事は激務のため、心身が疲労するのは当然です。また不規則な生活や休日が少ないため、疲れは溜まる一方です。

しかし、この3つが辞めたい理由の場合、医師を辞める必要はありません。体や心が不調になるのは、今の職場の労働環境が過酷、もしくは上司や看護師との人間関係がうまくいってないからです。これは、転職して職場を変えることで解決できますよね。

ただ、周りの環境を変えても、医師としての自信が完全になくなってしまえば、医師を続けるのは難しいかもしれません。これは特に、患者さんとの関係が悪化することで起こります。

その2:患者さんとの関係悪化も、辞めたいと思う理由の上位

Q2.「辞めたいと思ったことがある」先生にお伺いします。その理由、きっかけは何ですか?

第4位:言われなきクレームなどの対応に疲れた(342票)
第5位:医療訴訟を起こされた(あるいはその手前まで進んだ)(110票)
第6位:患者さんと信頼関係がうまく築けない(109票)
第7位:患者さんが亡くなった(87票)

参考:マイナビDOCTOR

医師を辞めたい理由の4位~7位は、患者さんとの関係悪化が理由となっています。患者さんとの関係悪化の例で、一番多いのがクレーム対応ですね。

意味もなく話が長い患者さんや、医者嫌いの患者さんの対応をするのは苦痛ですよね。しかし、この場合も、科を変えたり職場を変えれば患者さんの質が変わるので、医師を辞める必要はないです。

ただ、医療起訴を起こされたり、その手前まで行くと、立ち直るのは難しいです。特に、医師側がミスをしていないのにもかかわらず、医療事故だと決めつけられるのが一番達が悪いです。医師を完全に辞めたいと思うのも仕方ないですよね。

このように、医師が仕事を辞めたい理由を探ってみると、辞めるほど深刻ではないものから、深く心が傷ついているものまであります。理由を明確にすれば、おのずと自分が本当に医師を辞めたいのか、それとも続けたいのかがわかりますよね。

その3:辞めたい理由を明確にしてから、進退を決めよう

辞めたい理由を明確にしないと…
  1. 別の仕事についても、医療業界に未練があれば後悔する
  2. 見切り発車で辞めると、環境の変化についていけず苦痛になることも
  3. 適当な理由で辞めたことを気にして、医療の現場に戻りにくくなる

 

医師を本当に辞めたいのか、しっかりと休息をとれば現場に復帰できるのか、ここを明確にしておかないと失敗します。

見出し3:仕事を辞めたい医師が進むべき、3つの道は?

その1 :医師を完全に辞めて、異業種に転職する

  1. 医師をどうしても続けたくないなら、選択肢に
  2. ただ30代以降だと、異業種の転職は難易度が高い
  3. 収入が減るのが嫌なら、医師免許を生かした働き方がいい

 

その2:医療に関係した職に就く

  1. 医師は辞めたいが、医療業界に未練がある医師は選択肢に
  2. 製薬会社保険会社は、医師免許を生かせて年収も高い
  3. 年収は下がるが、医療系IT企業医療ライターなど、仕事は意外とある

参考:医師のライフプラン設計

 

その3:個人病院やクリニックに転職する

  1. 労働環境や人間関係が理由なら、医師を辞める必要はない
  2. 業務内容が楽になるので、医師を続けやすい
  3. 転科もできれば、自分に合った業務内容で働ける

 

まとめ:

  1. 辞める前に、辞めたいと思う理由を明確にするべき
  2. 医療事故などがきっかけで医師を本当に辞めたいなら、異業種の転職もあり
  3. 労働環境や人間関係が理由なら、医療関係の仕事をするか医師を続けるべき

本気で辞めたいのなら続ける必要はありません。ただ、辞める理由を明確にして辞めるべきです。なぜなら、辞めたいと口では言っても、本心は医師という仕事に未練があるかもしれないからです。

理由を明確にできてから、進退を考えましょう。医師として完全に自信を無くしてしまったのであれば、辞めて違う業種で働くのも仕方ないです。まだ医療業界に未練があるなら、製薬会社や保険会社であれば、医療業界に貢献しつつ働けます。

ただ、辞めたい理由が、心身の疲弊だったり、責任に耐えられなくなったのであれば、医師を完全に辞める必要はありません。転科や、個人病院やクリニックに転職すれば、つらい思いをせず医師を続けられます。

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