研修医1年目の年収は400万円代?|大学病院はもっと低い?

貰える給料の低さに驚く研修医は多いですよね。自分だけがこんなに低いのか、他の研修医はどれくらい年収を貰っているのか、気になりますよね。では、研修1年目の年収はいくらぐらいなのでしょうか?

  • 「研修医になったけど給料が低い、初期研修医で400万は普通なの…
  • 「研修1年目の年収相場は、大学病院と民間病院で年収は変わるの…」
  • 「研修医の時点で稼ぎたいから、民間の病院で研修を受けたい…」

研修1年目の平均年収は435.3万円です。決して低い額ではなく、同年代のサラリーマンと比べれば173万円も多いです。

しかし、業務内容や医学部でかかった学費を考えれば、安く見えますよね。また、研修を受ける病院によっては年収が低いと感じます。例えば、大学病院の研修医は民間と比べて144万円も年収が低いです。

ただ、「もっと稼ぎたい」と思うのは早合点です。なぜなら、3年目になれば努力せずとも、年収が2倍以上増えるからです。

むしろ、初期研修期間中は、大学病院で研修を受けた方がいいです。なぜなら、3年目から医局に入局した後、大学病院で研修を受けてた医師は年収の高い外病院に行けるからです。外病院なら年収1000万円も余裕で超えられます。

たった2年間年収が上がっても、長い目で見れば大した額になりません。それならば、3年目以降を見据えて、今の内にスキルと経験を身につけておくべきです。

ここでは、研修1年目の平均年収や、研修先の病院別の年収を紹介します。また、初期研修期間中に、研修医がやるべきことも紹介します。1~2年目の内に「スキル・経験」を学んでおけば、3年目以降の後期研修期間が楽になりますよ。

研修1年目の年収を知りたい医師向け
  1. 研修1年目の年収が低いことに驚く、医師の声は?
  2. 研修1年目の年収は低い?大学病院と民間の年収差は?
  3. 初期研修期間中にやっておくべき、3つのことは?

研修1年目で、想像以上に年収が低くて悩む医師…

研修1年目の年収がどれくらいか知りたい医師は多いですよね。

Aさん)前期研修医時代の年収相場は、400万程度…

問:医師の年収について質問します。
出来れば医師の方の回答をお待ちしております。

  • 前期研修医時代の年収相場はいくらか?
  • 後期研修医になれば、勤務医でも、年収1000万円を超える人間が出るのか?

ちなみに麻酔科志望です。

解:地方市中病院で初期研修を終え、現在後期研修医として麻酔科(主)、救急科(副)で働いています。

初期で400万程度、3年目から1000万は超えてます時間外たくさん働いていますし。

3年目で東北の過疎地ならば超えるでしょう。麻酔科と内科、どちらが激務か?業務形態が違うので一概にどっちとは言えませんが同じようなもんでは。

参考:Yahoo知恵袋

研修1年目の平均年収は435.5万円です。

しかし、病院によって年収の差があります。大学病院の平均年収が307.4万円に対して、臨床研修病院は451万円ですその差は144万円もあります。

Bさん)民間病院で研修する場合、年収は300~500万…

問:年収について。

民間病院で、研修する場合、その期間はどのくらい貰えるのでしょうか。研修が終わり、一年目の年収は大体どのくらいですか。また、救命救急は年収が高いと聞きましたが本当ですか?

解:研修中は、300万~500万くらいが普通でしょう。(僻地等の特殊勤務地除く)

研修終了後は、どこに就職するかによって異なります。

  • 大学病院であれば、300万程度。
  • 大学院に入れば、持ち出し(授業料を払います)
  • 市中病院に勤めれば、600万~1000万

診療科による賃金格差は少ないですが、一般に採算が取れる、産科、眼科、整形外科は賃金が高く、赤字部門の皮膚科、精神科、救命科などは賃金が安くなります。

どの診療科であろうと、若いうち(卒後10年目)くらいは24時間拘束、夜勤あり、夜勤後の仕事もあり、休日抜きですから、時給にすれば一般企業以下の激安価格であることは間違いありません。

参考:Yahoo知恵袋

民間病院で研修する場合、1年目の平均年収は451万円になります。

また、診療科よりは、研修を受ける病院による年収格差の方が大きいです。実際、大学病院は臨床研修病院と比べて、144万円も年収が低いです。

ただ、年収よりは、学びたい知識や経験で研修先の病院を選んだ方がいいですね。たかが1,2年の高年収の病院で働いても、生涯年収はほとんど変わりません。

Cさん)家庭の事情で、研修医の時点で稼ぎたい…

問:医学部四年生です。医師の初期臨床研修についての質問です。

初期研修のとき、本来所属している病院ではなく協力病院で働くことがあると思うのですが、その際の給料はどうなるのでしょう。

例えば基本的に大学病院で初期研修をするが、地域医療を市中病院でやる、などという場合です。

大学病院の給料なのか、市中病院の給料なのか、それとも地域プログラムによって異なるのかなど、教えていただけると嬉しいです。

家庭の事情があり、できれば早くからしっかり稼ぎたいと考えております。

参考:Yahoo知恵袋

初期研修先として民間の病院を選べば、大学病院よりも144万円も年収が増えます。

さらに、臨床研修病院なら1年目でも年収955万円の病院がありますね単純に年収だけ見れば、研修先は臨床研修病院がいいと思うのは当然ですよね。

しかし、早く稼ぎたいからといって民間の病院を選ぶのは早計です。

なぜなら、3年目になれば年収が劇的に上がり、年収1000万円を超えることも難しくないからです。むしろ、初期研修中に民間で働くと、医局に入局後大学病院で働かされる可能性が高いです。

3年目になっても大学病院で働き、年収が低く激務の環境で働くのはきついですよね。

研修1年目の内は、年収を気にせずスキルと経験の向上に努めた方がいいですね。また、最近は研修医の環境が改善され、大学病院でもある程度の年収は貰うことができます。

では、研修1年目の年収は、具体的にどれくらいなのでしょうか?

研修1年目の年収は低い?大学病院と民間の「年収差」は?

研修1年目の平均年収は思った以上に高いです。ただ、大学病院と民間の臨床研修病院で「年収格差」があります。

その1 :1年目の年収は「会社員」より173万円多い?

全体(大学+臨床研修) 会社員(20代前半)
平均年収 435.3万円 262万円

参考:臨床病院における研修医の処遇平成29年分民間給与実態統計調査

研修1年目の年収は、同年代の会社員より173万円高いです

しかし、業務内容を考えれば、年収に不満を抱くのも当然です。サラリーマンの仕事と違い、私たち研修医の仕事は命に関わることですよね。それに加えて、医学部で高い年収を払っていますから、余計納得いかないですよね。

ただ、これでも研修医の年収は高くなった方です。

1960年度初頭はインターン制度により、インターン生(今の研修医)は無給で働いていました。しかし、2004年に新臨床研修制度が導入されて状況は改善しました。実際、国は病院に対して、「研修医の月収を月30万円は保証せよ」と勧告しています。

また、初期研修期間が終わり後期研修医になれば、年収は2倍以上に増えますどうせ2年後年収が増えるなら、今無理をして当直バイトをする必要はないですよね。

その2:「大学病院」の年収は民間と比べて144万円低い?

大学病院 臨床研修病院
平均年収 307.4万円 451.0万円
最大年収 424.0万円 955.0万円
最低年収 184.2万円 235.8万円

参考:厚生労働省「臨床病院における研修医の処遇」

研修先の病院によっては、年収に100万円以上の差があります。

大学病院と臨床研修病院の平均年収を比べると、大学病院の方が144万円も低いですね。さらに、大学病院の平均年収は、1年目全体の平均年収を128万円も下回っています。大学病院の研修医は、年収が低いと感じるのは当たり前ですよね。

一方、臨床研修病院の最大年収は、研修医の平均年収の2倍以上です。年収だけで考えれば、臨床研修病院の方が研修先としてはいいですよね。

その3:研修1年目は年収にこだわらず「経験」を積むべき?

大学病院 臨床研修病院
メリット
  • 医局に入局した後、外病院に行ける可能性が高い
  • 当直回数が少なく、「当直なし」の病院が16%
  • 珍しい症例を経験できる
  • 年収が高い
  • コモンディジーズ(一般的な症例)に触れられる
  • 臨床や手技など、実践的な経験を積める
デメリット
  • 年収が低い
  • 専門に偏りすぎている
  • 一般的な症例を経験しにくく、外病院に行った後苦労する
  • 入局後は、大学病院に戻らされる
  • (大学病院に行った後)低い年収、激務についてこれなくなる可能性大
  • 当直回数が多い、「当直なし」の病院は1%のみ

大学病院と臨床研修病院、それぞれにメリット・デメリットがあります。

正直、初期研修中は年収の高さを気にしない方がいいですなぜなら、3年目以降に外病院に行けるようになれば、年収が2倍以上に増えるからです。たった2年間、年収が多くても、長い目で見れば医師は高給取りが約束されていますよね。

さらに、初期研修時代に大学病院で修業していないと、3年目から外病院に行けない可能性が高いです。

特に、初期研修後に医局への入局を考えている研修医は要注意です。なぜなら、2年間臨床研修病院で働いていると、入局後は顔合わせの意味もかねて大学病院で働かされる可能性が高いからです。

3年目になって、いきなり激務かつ低い年収で働くのはきついですよね。

よって、初期研修医のあいだは年収にこだわらず、勉学や経験を積むことに集中した方がいいです。では具体的に何をやればいいのでしょうか?

研修医が初期研修期間中に「やるべきこと」は?

その1 :与えられた環境で努力し「スキルを高める」

スキルを高めるには…
  1. やりたいことだけやる「つまみ食い研修」をしない
  2. 座学」と「現場経験」をバランスよくこなす
  3. プロ意識とコミュニケーション力を磨く

細かいことを気にせず、まずは与えられた環境で頑張りましょう。

最初は医師の基本的な手技である、点滴、IVH、挿管、縫合をマスターしましょう。また手技を習得すると同時に、座学の知識をつけましょう。座学の知識が足りないと、珍しい疾患を見逃してしまうかもしれません。

医師として成長するには、言われたことだけをやるだけではだめです。研修中楽に過ごそうと思っても、後期研修医や研修医が終わってから苦労するだけですね。

その2:全ての科共通の「オールラウンドな知識」を学ぶ

どの科に進んでも必要な知識は…
  1. 抗菌薬・感染症…「担当患者の発熱」等に対応できる
  2. 輸液・電解質…輸液の変更等、「点滴対応」ができる
  3. 栄養…経口以外の栄養療法を考えられる
  4. 心肺蘇生…担当患者の「心肺停止」に対応できる
  5. 縫合…「軽い外傷」を処置できるようになる

研修中は様々な診療科をローテーションします。

よって、優先して身につける知識は、各科の専門知識ではなく、どの診療科でも必要なオールラウンドな知識です。さらに、3年目からは、患者の担当医を任されるようになります。1~2年目で基本的な手技や知識を知っておかないと、3年目以降の勤務に影響が出ます。

上記5つの知識は、本からインプットできます。早めにオールラウンドな知識をつければ、専門知識をつける余裕もできますよね。

その3:インプットした知識を「ノート」にまとめる

優先してまとめておくべき情報は…
  1. 抗菌薬の種類スペクトラム、腎障害の程度に応じた容量調節一覧
  2. 経腸栄養剤の種類水分量カロリーの一覧
  3. 低K、低Na血症を中心とした電解質異常の補正方法一覧

参考:誰も教えてくれない、初期研修医のうちに必ずやるべき7つのこと

知識をインプットしても、実際に使えなければ意味がありません。

記憶のため、そして必要な情報にすぐアクセスするためにも、自分で勉強ノートを作った方がいいです。特に、現場でよく使う情報をまとめておきましょう小さいノートにまとめて持ち歩いておけば、とっさに情報を知りたくなった時、すぐ確認できますよね。

ノートに知識をまとめる癖をつければ、看護師や指導医の指示にも、素早く対応できますね。

まとめ:研修1年目の年収は本当に低い?

研修1年目の年収は本当に低い?
  1. 1年目の平均年収は435.3万円、会社員と比べれば「決して低くない」
  2. 「大学病院」の平均年収は少なく、研修医全体の128万円も少ない
  3. 初期研修の2年間は年収を気にせず、「スキル・経験」を積むべき

研修1年目の平均年収は435.3万円です。決して低い額ではなく、同年代のサラリーマンと比べれば173万円も多いです。

しかし、業務内容や医学部でかかった学費を考えれば、安く見えますよね。また、研修を受ける病院によっては年収が低いと感じます。例えば、大学病院の研修医は民間と比べて144万円も年収が低いです。

ただ、「もっと稼ぎたい」と思うのは早合点です。なぜなら、3年目になれば努力せずとも、年収が2倍以上増えるからです。

むしろ、初期研修期間中は、大学病院で研修を受けた方がいいです。なぜなら、3年目から医局に入局した後、大学病院で研修を受けてた医師は年収の高い外病院に行けるからです。外病院なら年収1000万円も余裕で超えられます。

たった2年間年収が上がっても、長い目で見れば大した額になりません。それならば、3年目以降を見据えて、今の内にスキルと経験を身につけておくべきです。

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