自分の年齢だと、どれくらいの年収が妥当なのか、知りたい医師は多いですよね。特に、20~30代の医師は、仕事量が多いのに年収が低いと感じます。では、本当に20~30代の医師の年収は低いのでしょうか?
- 「20代で年収1000万円って、現実的にありえるの…」
- 「後期研修期間が終わったら、年収はどれくらいなの…」
- 「大学病院の、年齢別の平均年収を知りたい…」
20代医師の平均年収は、20代前半で384万円、20代後半で535万円です。これは、医師全体の平均年収1081万円の半分以下と、かなり低いです。
さらに、働き続けて平均年収を超えるのは、40代前半になってからです。仕事量はむしろ若手医師の方が多いのに、貰える年収が少ないのは納得できませんよね。
20~30代の若手医師でも、年収を増やす方法はあります。
美容外科、美容皮膚科に転科すれば、外科の経験がなくても、1年目で年収1000万円を貰えるケースもあります。また、大学病院から市中病院に移るだけで、30代の医師なら562万円も年収を増やせます。
さらに、働く地域を変えても年収は増えます。例えば、東京から岩手県に行くだけで、単純計算で年収が1270万円も増えますね。
ここでは、医師の年齢別の平均年収について紹介します。また、大学病院と市中病院の年代別年収も紹介します。さらに、20~30代の医師でもできる、年収を増やす方法を紹介します。
- 年齢別の年収が気になる、医師の声は?
- 年代別の平均年収は?若手医師は年収が低い?
- 20~30代の医師が、年収を上げる方法は?
記事の内容を簡単に知りたい
年収が増えないことに悩む、若手の医師…
年収が増えず悩んでいる若手医師は多いです。
Aさん)20代で年収1000万って、どんな人医師がなれるの…
問:20代の医師で、年収1000万の人ってどんな人でしょうか?出身大学、在学中の成績、国家試験の成績、勤務先などが関係しているのでしょうか?
解:3-5年目の、JA厚生連などの半官半民のような団体経営の2,300床クラスの中規模の地方にある基幹病院に勤める医者なら可能です。
政令指定都市や中核市に出るまでに1時間かかる僻地の入り口という感じの病院です。結構忙しく、呼び出しも多いパターンが多いですね。月残業100時間はざらです。
出身大学や成績は全く関係ありません。
参考:Yahoo知恵袋
20代で年収1000万円になるには、働く診療科や地域を絞る必要があります。
具体的には、美容外科や美容皮膚科に転科すれば、1年目でも年収1000万円を超えるケースがあります。また、医師不足の地域で働けば、医師の需要が高い分、年収も高いです。
また、年収が高いからといって、必ずしも激務であるとは限りません。
医師不足の地域でも、医師を大事にする病院はあります。また、美容系の診療科は、そもそも時間外労働が少ないので、むしろ時間にゆとりをもって働けます。
Bさん)大学病院の年収ってどれくらい、年代ごとに知りたい…
問:地方の大学病院の医師の年収ってどれくらいですか?年代ごとに詳しく知りたいです。
解:年収で、
- 新任医師=600万円
- 3~5年経つと主任医師=1000万円
- X年後、内(外)科長=1500万円
- Y年後、院長=2000万円
が標準的でしょう。
XやYは、個人差があり、定年まで勤めてもなれない人もいるという意味です。
参考:Yahoo知恵袋
大学病院の医師の平均年収は812万円です。医師全体の平均年収と比べると、269万円も低いです。
また、大学病院は40代後半になるまで、医師全体の平均年収を超えません。具体的には、後期研修が始まる20代後半で522万円、研修が終わり30代前半になっても、669万円程度です。
Cさん)大学病院勤務だけど、32歳で年収450万円しかない…
問:知り合いの医者が大学病院に勤務しているのですが、後期研修医?を終わった32才なのに年収450万しかないと言ってました。
なぜ医者のくせにワープア並の収入なんですかね?
参考:Yahoo知恵袋
30代前半で年収450万円は平均より少ないです。
しかし、平均年収自体、30代前半で669万円とそれほど高くはありません。実際、医師が平均年収以上に稼げるようになるのは、40代になってからです。ただし例外もあり、利益重視の市中病院は30代前半で年収1000万円を超えます。
では、年齢別の平均年収はどれくらいなのでしょうか?また、大学病院と市中病院の年代ごとの年収はいくらぐらいでしょうか?
年代別の平均年収は?20~30代の医師は年収が低い?
年代別の平均年収を見ていくと、20~30代の医師は年収が少ないことがわかります。平均年収以上に稼げるのは、40代になってからですね。
その1 :平均年収1081万円を超えるのは「40代前半」から
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
平均 | 1081万円 | 887万円 |
20代前半 | 384万円 | 313万円 |
20代後半 | 535万円 | 496万円 |
30代前半 | 753万円 | 721万円 |
30代後半 | 1062万円 | 963万円 |
40代前半 | 1262万円 | 1253万円 |
40代後半 | 1409万円 | 1205万円 |
50代前半 | 1646万円 | 1510万円 |
50代後半 | 1625万円 | 1763万円 |
平均年収を超えて稼げるようになるのは、40代前半になってからです。
研修医から後期研修医までの間は、平均年収の半分以下しかもらえません。研修医時代である20代前半は平均年収384万円、後期研修医時代である20代後半でも535万円までしか増えません。
年収が平均を超えて、生活が安定し始めるのは、40代以降です。
その2:大学病院と市中病院は、30代で「562万円」も違う
大学病院・基幹病院 | 市中病院 | |||
---|---|---|---|---|
年齢 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 |
20代前半 | 400万円 | 314万円 | 279万円 | – |
20代後半 | 522万円 | 489万円 | 393万円 | 623万円 |
30代前半 | 669万円 | 691万円 | 1038万円 | 864万円 |
30代後半 | 893万円 | 888万円 | 1455万円 | 1167万円 |
40代前半 | 905万円 | 978万円 | 1649万円 | 1570万円 |
40代後半 | 1114万円 | 963万円 | 1962万円 | 1393万円 |
50代前半 | 1319万円 | 1382万円 | 1776万円 | 1564万円 |
50代後半 | 1366万円 | 1743万円 | 1782万円 | 1706万円 |
平均 | 812万円 | 723万円 | 1496万円 | 1258万円 |
---|
大学病院の医師は、市中病院の医師と比べると、最大で800万円も年収がすくないです。
30代前半になると、大学病院と市中病院の年収差は369万円になります。30代後半になると、562万円も年収の差が広がります。40代後半の年収格差が最大で、大学病院は市中病院と比べて848万円も年収が低くなります。
同じ医師をしているのに、貰える年収の格差がここまで違うと納得できませんよね。
その3:年収を増やせるかは「後期研修」後の選択で決まる
- 一般的には、「医局」に入局し博士号を目指す道へ
- 博士になり関連病院にいく頃には、40~50代に
- 「年収を上げたい」なら、20~30代の内に将来を考えよう
年収を上げたいのなら、20代の内に、大学病院で研究一筋になるか、他の病院に行き診療経験や年収を増やすか、考えておくべきです。
なぜなら、20代後半に後期研修が終わる頃には、医局に入局をするか選択しなければならないからです。医局に入局すれば、安定した収入や何かあった時の後ろ盾があります。しかし、その分年収を増やすことは難しいです。
入局し関連病院の役職に就くころには、40~50代になっています。
40~50代になってから年収を上げようと思っても、選択肢は限られます。アルバイトをするのも体力的にきついですし、開業しようと思っても資金が足りません。
年収を増やしたいなら、最初から入局しないか、途中で医局を辞めて、年収の高い勤務先で働くべきです。では、年収を上げるには、具体的にどういった場所で働けばいいのでしょうか?
20~30代の勤務医が「年収を上げる方法」は?
年収が高い勤務先として、3パターンが挙げられます。
方法1 :「美容外科・美容皮膚科」に転科する
- 診療科の中で最も年収が高く、「4人に1人」は年収2000万円
- 「1年目」でも年収が高い、研修時点で年収1200万円もらえる病院も
- 外科の経験があれば優遇されるが、「未経験」でも転科可能
- 「当直なし・定時退社」が多く、時間にゆとりをもって働ける
美容外科、美容皮膚科に転科すれば、20代でも年収1000万円以上貰うことができます。
外科の経験があれば年収が優遇されます。しかし、外科未経験でも、1年目の研修でスキルアップできれば、2年目で年収2000万円を貰えているケースもあります。
診療科を選ばず、20代で年収を飛躍的に上げるなら、美容外科や美容皮膚科に転科した方がいいですね。
方法2:大学病院から「市中病院」に転職する
- 「30代」で市中病院に行けば、最大で562万円も年収アップが可能
- 市中病院で働き続ければ、「40代後半」で年収1962万円
- 事務作業が多い大学病院と比べて、「診療経験」を積める
大学病院から市中病院に転職すれば、年収を1.5倍以上増やすことができます。
具体的な金額で言えば、30代前半で転職すれば369万円、30代後半なら562万円増えます。また、大学病院では平均年収を超えるのは、40代後半になってからです。しかし、市中病院は、30代で平均年収1081万円を超えることができます。
また、市中病院は診療経験を積めます。事務作業中心の大学病院と比べて、自分で考えて診療できる機会が多いです。
方法3:「医師の数が少ない」地方都市で働く
- 医師不足の「地方都市」は、大都市よりも平均年収が高い
- 県別の平均年収は、最大で4倍以上も差がある
- 東京から「岩手県」に行くだけで、1270万円も増える
参考:マイナビDOCTOR
医師不足の地方都市で働けば、年収を2倍以上に増やせます。
県別の平均年収が最も低い富山県と、最も高い岩手県の年収の差は4倍もあります。仮に富山県から岩手県に移るだけでも、平均年収は1814万円も増えます。
また、東京といった都市圏はそれほど給料が高くないです。
なぜなら、土地代が高く、そもそも給料が少ない大学病院の数が多いからです。単純計算ですが、東京から岩手県に行っても、年収は1270万円も増えます。
また、医師不足の地方都市は、コンビニ診療のイメージがあります。しかし、すべての地域で労働環境が悪いわけではありません。
患者さんの質が良く、医師を大事にする病院もあります。そもそも、経営難の病院は高い年収を提示できないはずです。よって、年収が高い病院だからといって、コンビニ診療を心配する必要はありません。
まとめ:20~30代の医師の年収は低い?
- 研修医時代である「20代前半」は、平均年収384万円
- 後期研修医時代である「20代後半」でも、年収535万円
- 医師全体の平均年収を超えるのは、40代前半から
20代医師の平均年収は、20代前半で384万円、20代後半で535万円です。これは、医師全体の平均年収1081万円の半分以下と、かなり低いです。
さらに、働き続けて平均年収を超えるのは、40代前半になってからです。仕事量はむしろ若手医師の方が多いのに、貰える年収が少ないのは納得できませんよね。
20~30代の若手医師でも、年収を増やす方法はあります。
美容外科、美容皮膚科に転科すれば、外科の経験がなくても、1年目で年収1000万円を貰えるケースもあります。また、大学病院から市中病院に移るだけで、30代の医師なら562万円も年収を増やせます。
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